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大器晩成型 - 仕事中の覚え書きや反省文を書く程度のブログです

多分詳しいChrome Flashの動向まとめ

Chrome 55にてFlash無効化(HTML5 by Default)が発表されて12月を迎えました。

Chrome 55がリリースされ、Flashの無効化されると思いきや嬉しいことに寿命が1ヶ月延びました。1ヶ月...

僕の立場を説明すると、Flashコンテンツを時サービスですこしだけ扱っていて、かれこれ1年くらいChromeの動向を調べていました。

具体的にFlashの無効化がどんなことなのかを少し詳しく説明しようと思います。

HTML5 by Default

Flash無効化と言ってきましたが正確にはこのアップデートは HTML5 Default と言います。

中身の詳細に関しては、このGoogle スライド に載っています。

ざっくり説明すると

  • Flashの設定の値を変えてきますよ
  • まずは chrome://site-engagement のスコアを見てHTML5 by Defaultにするかどうかドメインごとに見ますよ
  • chrome://flags/#prefer-html-over-flash をEnableにするとひと足早く体験できますよ

的なことが書かれています。 ここでは一応 Chrome 55+で、このフラグが有効になると説明されていますが、前述の通り55には含まれず1ヶ月開始期間が延ばされました。

ただ、いきなり完全にFlashが表示されなくなるのではなく、このコミュニティの下の方で議論されているように
(Update) Intent to Implement - HTML5 by Default

We are going ahead with a 1% experiment on Chrome 55 Stable, starting in early December. Based on the results from that deployment we intend on formally launching HTML5 by Default to all users in Chrome 56 (end of January).

When we launch in December, the minimum Site Engagement score will be 1, and we will gradually increase the threshold through 2017, starting in February. We're also contemplating extending the ramp period through Sept/October, 2017 (originally from July, 2017), to give developers a little more time to make migrations.

2017年の1月から site-engagement のスコア(スコアは0~100まである)の閾値1を徐々に上げていき、最終的に2017年の9,10月までに100まで引き上げてHTML5 by Defaultを完了させるみたいです。

とまあつらつらと説明してきたわけですが、具体的にブラウザではどういう挙動をするようになるのか

ブラウザの挙動

先ほど説明した chrome://flags/#prefer-html-over-flash を有効化した現時点での動きは以下のようになりました。

Site Engagementが閾値より高い時

Flashは正常に動作します。

Site Engagementが閾値より低い時

Site Engagementが低いケースの場合(そのドメインをあまり使っていない人とかがこれにあたる)、Flashはインストールされていないのと同じ状態としてブラウザ上では判別されます。

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たぶんインストールされていないときの代替表示が各々されていて、Adobeのリンクが表示されていると思います。(もしくはヘルプページとかへのリンク)

この時、http://get.adobe.com/jp/flashplayer/ よくあるこの Adobe Flash PlayerのインストールリンクをクリックするとChromeのPush機能の有効化とかにでてくるおなじみのPromptが表示されます。

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あとはそのままで、Blockすればそのドメイン上ではFlashは無効化され、Allowすれば今まで通りFlashコンテンツを楽しめます。

HTML5 by DefaultはFlash殺すマンではなく、Flash許可制に完全に移行するものであることがわかります。

サービスとしてどう付き合っていくか

ここでサービスとしてのFlashとどう付き合っていくのかですが、上記のように許可すれば結構簡単に使える(発表当初は殺されるのかと思ってヒヤヒヤしてた)ので今まで通り、有効化(インストール)を促す体験を良いものにすることに尽きると思います。 ただ、同一ドメイン上で許可を求められるのでAdobeのインストール導線をヘルプページ等(別ドメイン)に隠してしまっている場合は注意が必要です。

ただ、今後Flashの扱いがどう変わっていくのかはわからないので焦る必要はないですが、Flashが世の中から完全になくなたときのことを考えてゆっくりと動き出しても良いかもしれません。

さらばFlash広告

もちろん上記の理由で、Flash広告はもはや意味のないものになるでしょう(もうすでにそうですが)。 流石にいないと思いますがFlash広告の開発はやめて、HTML5技術を覚えることをおすすめします。

まとめ

  • Chrome 56+から緩やかにFlash制限が厳しくなるよ
  • Site Engagementのスコアが関係するよ
  • サービスは有効化させるための適切なユーザー体験を提供しましょう
  • Flash広告はやめましょう

ちなみに、すでに過去バージョンでFlashの設定を有効にしている場合はそのまま引き継がれて設定されるようです。


追記 (12/9)

Chromium Blog(公式)からアナウンスされましたね

blog.chromium.org

Chromeのリリースカレンダー

www.chromium.org